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印刷方式の有機ELディスプレイ量産へ JOLED、470億円調達

JOLED(東京都千代田区)は、印刷方式有機ELディスプレイ量産のため、デンソー(愛知県刈谷市)など4社を引受先とする第三者割当増資により、総額470億円の資金調達を実施したと発表した。

今回、デンソーが300億円、豊田通商(愛知県名古屋市)が100億円、住友化学(東京都中央区)が50億円、SCREENファインテックソリューションズ(京都府京都市)が20億円をJOLEDに出資した。

JOLEDは調達した資金により、世界初という印刷方式有機ELディスプレイ量産ラインの構築を進め、2020年の量産開始を目指す。また、今後も適宜必要となるタイミングで資金調達を行っていく考えだ。

RGB印刷方式による有機ELディスプレイ

JOLEDは、世界初というRGB印刷方式による有機ELディスプレイの製品化を実現している。有機ELディスプレイの「印刷方式」製造方法は、有機EL材料を印刷により塗布・形成する技術で、生産工程がシンプルであることから、多様な画面サイズへの展開が容易な技術として期待されている。同社は、現在主流となっている蒸着方式では製造が難しいとされる、中型サイズの有機ELディスプレイ市場において、印刷方式有機ELディスプレイの量産を目指している。

そのため、今回の第三者割当増資による新たな株主4社を加えた新ガバナンス体制のもと、共同開発や業務提携、販路開拓などにおいて株主との協業を一層強化し、印刷方式有機ELディスプレイの事業化を加速していく。

具体的には、自動車関連機器の開発・生産を行うデンソーとは、車載向けディスプレイの開発や事業展開において協力していく。総合商社としてさまざまな産業分野に広がるグローバルネットワークを持つ豊田通商からは、ディスプレイ製品の市場開拓・販売拡大でサポートを得る。

また、有機EL材料の開発・供給において、これまでも協力関係にある総合化学メーカーの住友化学と、今後協力体制を一層強化する。ディスプレイ製造装置と関連サービスを提供するSCREENファインテックソリューションズとは、印刷設備の開発・製造・販売・サービスの展開において協力していく。

ガラス基板ベースで月産約2万枚の量産工場

JOLEDは、有機ELディスプレイの量産開発加速と早期事業化を目的として、ソニー(東京都港区)とパナソニック(大阪府門真市)の有機ELディスプレイの開発部門を統合し、2015年1月に設立された。

2016年にパイロットラインを立ち上げ、印刷方式による有機ELディスプレイ量産技術の確立と生産性の向上を実現。2017年12月に初の製品である21.6型4K有機ELディスプレイの出荷を開始した。

さらなる事業拡大のため、2018年7月、石川県能美市に能美事業所を開設し、世界初という印刷方式有機ELディスプレイの量産工場(基板サイズ:G5.5/1,300×1,500ミリメートル、生産能力:ガラス基板ベースで月産約2万枚)として2020年の稼働開始を目指している。

同工場では、車載向けやハイエンドモニター向けなどを想定した中型サイズ(10~32型)の印刷方式有機ELディスプレイの製造を行う計画だ。また、この有機ELディスプレイは、ジャパンディスプレイ(東京都港区)との協力関係のもと、量産を行う予定。

テレビ向け有機ELディスプレイ製造設備開発などでも業務提携

今回、JOLEDと、生産設備の開発設計を行うパナソニック プロダクションエンジニアリング(大阪府門真市)とSCREENファインテックソリューションズの3社は、主にテレビ向けを想定した、印刷方式による大型有機ELディスプレイ製造のための印刷設備の開発・製造・販売・サービスに関する業務提携契約を締結したことも発表した。

有機ELディスプレイは、自発光型ならではの高い画質特性を有し、さらに、シンプルな構造、薄型・軽量で低消費電力を両立するなどの長所を併せ持つことから、近年、大型テレビやスマートフォンでの採用が広がっており、次世代ディスプレイとして注目を集めている。

記事出所: 『環境ビジネスオンライン』 2018年8月24日 出典

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