2018年度のZEB実証事業、採択された36事業が公開 3件が「ZEB」に

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BEMSなど先進的な省エネ建築物への補助金、8件採択 評価ポイントも公開

国土交通省は11月30日、省エネ・省CO2にかかわる先導的な技術を導入した住宅・建築物のリーディングプロジェクトに対する補助事業の第2回提案募集において、8件のプロジェクトの採択し公表した。

この「平成30年度サステナブル建築物等先導事業(CO2先導型)」(略称:省CO2先導プロジェクト2018)は、省エネ・省CO2とあわせて、健康・災害時の事業継続性などに寄与する取り組みの普及啓発を図るため、リーディングプロジェクトに対して、国が建築工事費等の一部を支援するもの。補助率は補助対象費用の1/2、補助限度額は1プロジェクトあたり原則5億円。

今回採択されたのは、一般部門・建設物(非住宅)が5件、一般部門・住宅が3件。このうち、セブン&アイ・クリエイトリンク(東京都千代田区)は、環境と防災分野におけるモデル商業施設となることを目指した、大規模複合商業施設の新築プロジェクトで採択された。この商業施設では、地球環境保全と働きやすさの向上をコンセプトに、生ごみバイオガスシステム、BEMSによる最適化制御、電力負荷平準化制御などの導入とともに、防災拠点機能の強化を図る。

また、省エネ住宅技術推進協議会全国工務店グループは、太陽光発電の自家消費拡大を目指した戸建住宅の新築プロジェクトで採択された。このプロジェクトでは、省エネ基準を大きく上回る断熱性能に加えて、低コスト型の全館空調、ヒートポンプ給湯機の昼間稼働などにより、省エネと健康増進の両立、太陽光発電の自家消費率拡大を目指す。

評価されたポイントも公表

第2回提案募集は8月20日~9月27日に実施した。その結果、13件の応募があり、建築研究所が設置した学識経験者等からなる評価委員会による評価結果を踏まえ、8件の採択プロジェクトを決定した。

建築研究所は、第2回公募の評価結果を公表している。建築物(非住宅)で採択した新築5件については、各施設の用途において、地域や施設・企業の特性に応じた省CO2対策を建設・設備計画時にバランスよく導入し、省CO2と知的生産性向上や健康増進、非常時の機能維持との両立にも配慮、類似施設への波及・普及効果が期待できると評価した。

戸建住宅で採択した3件(新築1件、改修2件)については、いずれも地域工務店がグループまたは単独で、省エネ基準を超える高い断熱性能を有する省エネCO2型住宅の普及展開を目指すもので、高気密高断熱の施工を進める工夫、健康性やレジデンスの向上にも配慮した設計から施工・性能検証までの改修プロセスなどに特徴があり、波及効果が期待できると評価した。

採択プロジェクトは、以下の通り。

省CO2先導プロジェクト2018 採択結果

建築物・一般部門(新築)

  • セブン&アイ・クリエイトリンク:松原天美地区における「地域環境に与える影響のミニマム化を図った『環境配慮型SC』」の提案
  • トヨタ紡織:トヨタ紡織グローバル本社および刈谷再編計画
  • 大阪市:大阪新美術館プロジェクト
  • 学校法人福岡学園:福岡歯科大学医科歯科総合病院建替計画  
  • 長野県上田市:上田市庁舎改築・改修事業  

住宅・一般部門(新築)

  • 省エネ住宅技術推進協議会全国工務店(代表者:コージーホーム):太陽光発電の自家消費拡大を目指した省CO2住宅の普及と検証プロジェクト
  • 一般社団法人くまもと型住宅生産者連合会グループ:レジリエンス住宅改修先導プロジェクト  
  • ヤマサハウス:多世帯同居対応を目指した省CO2健康住宅改修プロジェクト
             
記事出所: 『環境ビジネスオンライン』 2018年12月03日 出典

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