
対象となる例
経済産業省は、2017年度補正予算で実施する、工場・事業場などへの省エネルギー設備の導入・運用改善を支援する補助事業の概要をウェブサイトで公表した。同事業は、省エネの推進により中小企業などの経営体質の強化、生産性向上を図ることを目的としている。
事業名は2017年度補正予算「省エネルギー設備の導入・運用改善による中小企業等の生産性革命促進事業」。補助対象となるのは、工場・事業場などにおける既存の設備を、省エネルギー性能の高い設備(省エネ型設備)とエネルギー使用量等を計測・蓄積する装置(見える化装置)に更新する事業。
補助率は1/3以内、1事業あたりの補助上限額は3000万円、補助下限額は30万円。
補助対象事業者の公募開始は3月下旬を予定。公募に先立ち、全国9都市(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、沖縄)にて公募説明会を開催する予定。
対象となる省エネ型設備
対象となる省エネ型設備(9つの設備区分・設備の種類)は次の通り。省エネ型設備の種類とその基準値については、今後、補助金の執行団体に設置をする外部有識者からなる委員会において決定される。
(1)高効率照明
LED照明器具、LEDダウンライト、LED高天井用器具、LED投光器、LED防犯灯
(2)高効率空調
電気式パッケージエアコン(業務用エアコン)、ガスヒートポンプエアコン、チリングユニット、吸収式冷凍機、ターボ式冷凍機
(3)産業ヒートポンプ
高温水ヒートポンプ、循環加温ヒートポンプ、熱風ヒートポンプ、蒸気発生ヒートポンプ
(4)業務用給湯器
業務用ヒートポンプ給湯器、潜熱回収型給湯器
(5)高性能ボイラ
蒸気ボイラ、温水ボイラ
(6)高効率コージェネレーション
高効率コージェネレーション
(7)低炭素工業炉
燃焼式工業炉、抵抗加熱式工業炉、誘導加熱式工業炉
(8)冷凍冷蔵設備
電気冷蔵庫、電気冷凍庫、内蔵型ショーケース、別置型ショーケース等
(9)産業用モータ
産業用モータ(産業用モータ単体・ポンプ・圧縮機・送風機)
対象となる見える化装置
対象となる見える化装置は、導入した省エネ型設備にかかわるエネルギー使用量などを計測・蓄積する装置であって、以下の機能を有するもの。
- 設備区分ごとに定める計測すべきデータを、一定の間隔で計測可能であること。
- 一定の間隔をもって計測したデータ(計測すべきデータをいう)を一定期間、蓄積可能であること。
省エネ効果の評価・専門家派遣などが要件
同事業では、設備区分ごとに「設備の更新による省エネ効果(省エネ量・省エネ率)」「費用対効果」「中小企業、個人事業主、中小企業団体などの省エネルギー事業」について評価を行うことを想定している。
また、すべての補助対象事業者は、設備のエネルギー使用量等のデータを基に、省エネ専門家による診断を受診すること(費用負担はなし)、省エネルギー効果の実績を成果報告として報告することが求められる。なお、省エネ専門家の診断に基づく改善提案などは、補助対象事業者の今後の省エネ取り組みの参考として利用できる。
経済産業省の2017年度補正予算のPR資料によると、「省エネルギー設備の導入・運用改善による中小企業等の生産性革命促進事業」の予算額は78.0億円。

省エネルギー設備の導入・運用改善による中小企業等の生産性革命促進事業
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