横浜市、住宅のZEH化・省エネ化に補助金50万円 併用も可能

石川県、省エネ住宅の新築・購入・改修に補助金10万円 太陽光発電は対象外

四国の優れた省エネ対策、計15事例を動画で 活用した補助金も紹介

四国経済産業局は3月22日、「省エネ優良事例集」に新たに5事業者の取り組みを追加したことを発表した。

同局では、事業者における持続可能な省エネの取り組みの参考とするため、エネルギー管理における事業者の優良な事例について取材し、動画にまとめて紹介している。今回の追加により全15事業者の事例を知ることができる。

この事例集ではまず 、企業概要・アピールポイント・省エネ推進のきっかけについて紹介。また主な省エネルギー活動の内容、省エネ効果について、写真やデータを用いて解説した。活用した補助金の情報も合わせて公表しているため、同様の取り組みを検討している事業者・団体には大きな参考になる。

新たに追加した5事業者は、次の通り。

設備更新時に効率化、2年連続「Sクラス」評価

阿波製紙(徳島県徳島市)

省エネ手法のキーワードは、ガス焚き貫流ボイラー・照明のLED化・高効率空調設備・二重サッシ・ポンプのインバーター制御・補助金制度活用。

具体的には、2015年度「エネルギー使用合理化等事業者支援補助金」や2015年度補正予算「中小企業等の省エネ・生産性革命投資促進事業費補助金」を活用し、省エネに取り組んだ。

たとえば徳島工場では、既設のA重油焚き貫流ボイラを高効率ガス焚き貫流ボイラ5台へ更新し、水銀灯35台、蛍光灯170灯等の照明機器のLED化を行った。また、本館建設時に省エネを意識した太陽光発電パネルの設置、LED照明、二重サッシ等を採用し、井戸揚水ポンプ3台と清水ポンプ等にインバータを設置することで、消費電力の削減を図った。

その他、集塵機ファンを使用していない時に自動停止をかけ、電力の削減を図る等の取り組みを実施している。これ以外にも、太陽光複合コージェネシステムの設置や本館屋上緑化など、様々な活動に取り組んでいる。

その結果、ボイラーの高効率ガス炊き貫流ボイラへの更新により、使用燃料は原油換算量として2012年度比で約800キロリットル(約14%)、電気使用量は約13万kWh/年(約48%)削減した。また、照明設備をLED化したことにより、電気使用量が5万6000kWh削減できた。

省エネ診断を活用、かしこく省エネ

香川シームレス(香川県丸亀市)

省エネ手法のキーワードは、省エネ診断・ボイラーの燃料転換(A重油からLPGへ)・LED・空冷式空調設備・補助金制度活用。

具体的な省エネの取り組みとしては、既存の蛍光灯照明のLED化、水冷式のコンプレッサーを空冷式のインバーターコンプレッサーへ更新、ボイラーの燃料をA重油からLPGへの変更等を行った。これにより工場の照明と空調のエネルギーの大幅な削減ができた。

また、コンプレッサーについては、四国電力(香川県高松市)ソリューション課の支援を受け、コンプレッサー7台の電力使用量、圧力値を測定しながら、夜間縫製部へエアーがいかないように配管を切り替える等のロスの少ない運用ができるようになった。

これらの取り組みの結果、昨年度比でボイラーの燃料使用量を約11%削減することができた。

設備更新型ESCO事業の導入による省エネルギー化の推進

東温市(愛媛県東温市)

省エネ手法のキーワードは、更新型ESCO・高効率電気式空冷ヒートポンプモジュールチラー・照明のLED化・高効率電気式空冷ヒートポンプエアコン・排熱回収ヒートポンプ。

省エネルギー改修として、東温市役所本庁舎では、既設の電気式氷蓄熱ユニット2基と空冷ヒートポンプチラー1基を撤去。その後高効率電気式空冷ヒートポンプモジュールチラー7基とLED照明を導入した。

また、川内公民館では、既設の吸収式冷温水発生器を撤去し、高効率電気式空冷ヒートポンプエアコン5基を導入。「ふるさと交流館 ~さくらの湯~」では、LED照明と排熱回収ヒートポンプを導入した。排熱回収ヒートポンプの導入により、これまでただ捨てるだけだった浴槽内の排水から熱回収をできるようになった。

これらの取り組みの結果、ESCO事業導入前後を比較すると、3施設合計でエネルギー使用量は年間で約2,565ギガジュール(GJ)削減できた。二酸化炭素では約13%の削減となり、光熱水費では1年間で約930万円が削減された。

地球環境を考える企業へ ~創業から続く省エネの道のり~

西染工(愛媛県今治市)

省エネ手法のキーワードは、ボイラーの更新・コンプレッサーのインバーター化・LED・空冷式空調設備・エコアクション21・補助金制度活用。

省エネの取り組みとしては、炉筒煙管ボイラーの更新、コンプレッサーのインバーター式への更新、空調機の高効率化、水銀灯・蛍光灯の照明を全てLED化、小型貫流ガスボイラーをガス焚きに更新、を行った。その他にも、四国電力や四国ガス(愛媛県今治市)の支援を受け、省エネ活動のために必要なデータを随時蓄積している。

これらの取り組みの結果、2012年から2016年までの5年間で電気使用量を約35万kWh/年、約10%削減し、都市ガスに関しても約7万立方メートル、約5%を削減した。これを光熱費に換算すると約1000万円の光熱費の削減となった。

ZEBの活用による省エネルギー化の推進

フタガミ(高知県南国市)

省エネキーワードは、ZEBの導入・みえる化・省エネ診断・照明のLED化・省エネ型ヒートポンプエアコン。

省エネの取り組みとしては、ホームセンターブリコ介良店(高知県高知市)で、補助金を活用した設備更新を行った。

具体的には、既設の空調設備から、省エネ型空冷ヒートポンプエアコンへ更新、照明251台のLED化を実施した。また、太陽光発電も利用することで更なる省エネ化を図った。さらに設備更新の実施後はPDCAサイクルを展開し、ZEBを活用することにより、施設区画ごとに記録された消費電力量や施設全体の電力量・給水量、運転時間の計測値を計画値と比較し、効果の確認を行っている。

なお、省エネ効果が認められない場合は、運転管理者、省エネコンサル、メーカー、施工会社等を含めて、収集したデータに基づいて原因を調査・分析し、設定値や制御パラメータ等の調整をしている。調整後は運転データを確認し、必要により改善計画の見直し、継続的な調整・改善を行うことで、より効果の高い省エネ活動を展開している。

改修前と改修後を比較すると、空調の電力使用量は約17万kWh/年(約72%)削減、照明の電力使用量では約1万kWh/年(約11%)削減した。また、太陽光発電によって1年間で約1万kWh/年を追加で削減した。これは施設全体の光熱費では、設備更新の前後で約250万円の削減となる。

【参考】

記事出所: 『環境ビジネスオンライン』 2018年4月6日 出典

横浜市、住宅のZEH化・省エネ化に補助金50万円 併用も可能

石川県、省エネ住宅の新築・購入・改修に補助金10万円 太陽光発電は対象外