環境省は、国内の事業場・工場を対象に、先進的で高効率な低炭素機器などの導入を支援する補助事業「先進対策の効率的実施による二酸化炭素排出量大幅削減設備補助事業(ASSET事業)」において、2018年度の一次採択で86件を採択したと発表した。
86件の内訳は、単独参加(事業場)が32件、単独参加(工場)が41件、グループ参加(事業場)が7件、グループ参加(工場)が6件。
2019年度の排出削減目標量は約6万t-CO2
この事業は、業務・産業両部門の温室効果ガス排出量を大幅に削減するため、先進的で高効率な低炭素機器として環境大臣が指定する設備・機器(L2-Tech認証製品)などの導入を支援するもの。参加する事業者は、低炭素機器の導入と運用改善によるCO2排出削減目標を掲げ、その目標達成に取り組む。同事業の参加者全体で排出枠の調整を行い、事業全体として確実な排出削減を担保することを特徴としている。
今回採択された案件にかかわる2019年度排出削減目標量は59,897トン-CO2(うち、事業場合計20,343トン-CO2、工場合計39,554トン-CO2)。L2-Tech認証製品の「設備・機器等」は37区分(対象58区分)となっている。
2019年度排出削減目標量が法定耐用年数の期間、毎年度削減実績として続くと、排出削減予測量の合計は、728,452トン-CO2となる。
ガス焚き蒸気ボイラ導入、空調・照明設備改修などが採択
今回採択された86件のうち、中部電力グループのシーエナジー(愛知県名古屋市)と味の素冷凍食品(東京都中央区)は、工場において、燃料転換とガス焚き蒸気ボイラ導入によるCO2削減事業を行う。
ベネッセコーポレーション(岡山県岡山市)とベネッセ・ベースコム(同)は、ロジスティクスセンターにおいて、高断熱窓ガラス・高断熱断熱材・高効率チラー・高効率設備用エアコン・高効率エアコン・LED照明導入によるCO2削減事業を行う。
2018年度、2次公募の実施予定はなし
同事業は、2012年度より実施しているもので、費用効率性の高い事業を採択するとともに、市場メカニズムを活用(排出枠取引、外部クレジット利用)することで、CO2の大幅削減を効率的に図ることを目指している。
2017年度ASSET事業では3次公募まで実施し、計76件を採択した。今回、2018年度ASSET事業では、2次公募の実施予定がないことも発表した。省エネ設備導入に対する補助金へのニーズが高くなっていることが伺える。