アズビル(東京都千代田区)は9月18日、同社がエネルギー管理支援サービス事業者(エネマネ事業者)として支援する4事業が、「平成30年度エネルギー使用合理化等支援事業」の「区分Ⅰ. 工場・事業場単位」で採択されたと発表した。
いずれもEMSを活用し高度な省エネ
同社がエネマネ事業者として支援する、「平成30年度エネルギー使用合理化等支援事業」に採択された事業は下記の通り。
1. 後志ホールミール工場における省エネルギー事業
事業者は高野冷凍(北海道小樽市)。補助金交付決定額は350万円。既存の濃縮装置をドライヤーからの廃熱を利用する省エネ型濃縮装置に更新することで、蒸気使用量を削減する。ボイラー周辺設備を更新することにより、送風機のインバータによる電力削減、空気比調整によるA重油の使用量を削減する。またEMS(エネルギーマネジメントシステム)制御により魚油をボイラー燃料として使用することによりA重油使用量を削減する。
2. 高度晒粉工場の更新・EMS活用による省エネルギー事業
事業者は東北東ソー化学(山形県酒田市)。補助金交付決定額は7310万円。高度晒粉工場の更新に伴うプロセス(反応設備、乾燥設備等)の効率化によりエネルギー消費原単位を改善し、EMS活用により更なる省エネルギーを図る。
3. 旭化成製造統括本部川崎製造所におけるボイラの更新とEMS導入による省エネルギー事業
事業者は旭化成(東京都千代田区)。補助金交付決定額は250万円。既存大型ガスボイラ設備を撤去し、ガスタービン発電装置、中型排熱ボイラを導入する。ガスタービン自家発電により電気購入を減らし、ガスタービン排熱利用により蒸気を発生させ、既存ボイラ蒸気を置き換えることで総合熱効率を高め、省エネルギーを図る。EMSにより用役の需要~供給をネットワーク接続し、統合管理による需要監視負荷予測と最適制御によりさらなる省エネルギーを図る。
4. 鹿児島オキシトン省エネルギー事業
事業者は日本エア・リキード(東京都港区)と鹿児島オキシトン(鹿児島県霧島市)。補助金交付決定額は5000万円。高効率ガスプラント導入とEMSの活用により省エネ化を図る。
2018年度のエネ合補助金、平均省エネ率は22.4%
同事業は、事業者が計画したエネルギー使用合理化・電気需要平準化の取り組みのうち、省エネルギー性能の高い機器・設備や、電力ピーク対策に資する機器・設備を導入する事業に対して、国庫補助金の交付が行われるもの。
また、「区分Ⅰ. 工場・事業場単位」と「区分Ⅱ.設備単位」があり、エネマネ事業者を活用し、エネルギーマネジメントシステム(EMS)を導入することでより効率的・効果的な省エネルギーを実施する事業については、補助率が上がる。
2018年度は、工場・事業場単位の区分は577件の申請があり、356件が採択された。採択事業の平均省エネ率は22.4%、平均省エネ量は326.3キロリットル、平均費用対効果は195.3キロリットル/千万円。
アズビルは、エネルギーマネジメントソリューションを重要な事業領域として位置づけ、工場や建物の省エネソリューションを提供してきた実績とノウハウを持つ。5年連続でSIIのエネマネ事業者に認定された実績も加わり、さらなる市場拡大を目指す。
【参考】
- 環境共創イニシアチブ - 平成30年度 省エネルギー投資促進に向けた支援補助金(エネルギー使用合理化等事業者支援事業)区分Ⅰ. 工場・事業場単位 交付決定案件一覧
- 環境共創イニシアチブ - 平成30年度 エネルギー使用合理化等事業者支援事業 新規採択事業の結果について