パナソニック（大阪府門真市）は11月19日、同社の「環境ビジョン2050」に基づいた取り組みとして、グループ会社の家電リサイクル工場で使用する電力を100％再生可能エネルギーに切り替えたと発表した。今後、化石燃料の代替等により、CO2ゼロ工場を目指す。
省エネ、創エネ、再エネ電力の調達で実現
今回、パナソニックグループの家電リサイクル工場であるパナソニック エコテクノロジーセンター（兵庫県加東市）は、CO2ゼロ工場への取り組みの先行モデルとして、「省エネ」「創エネ」「再エネ由来電力の調達」を実施し、100％再生可能エネルギー由来電力による事業運営を実現した。
具体的には、省エネでは、工場内の照明を2018年9月にすべてLEDに切り替えた。これにより、工場からのCO2排出量の約2％を削減した。創エネでは、現在、同社の太陽光発電パネル「HIT™」50kWを設置し、工場からのCO2排出量の約1％を削減している。
この二つの取り組み後の購入電力に対し、2018年4月から関西電力（大阪府大阪市）のCO2を排出しない水力発電を活用した「水力ECO（エコ）プラン」の活用を開始している（購入電力の約88％）。それに加え、今回、社内の調達部門であるグローバル調達社を通して非化石価値取引市場から、2018年4月より有効な非化石証書を購入（同、約12％）し、実質的に100％再エネ由来電力の活用を実現した。
CO2ゼロ工場に向けた取り組み
さらにPETECでは、2019年2月に244kW、同12月には330kWの太陽光発電パネル「HIT™」を設置する。これらにより、トータルの太陽光発電パネル設置容量は624kWとなり、CO2排出量の削減は現在の約1％から約15％に向上する。
加えて、先進的なエネルギーマネジメントシステムの活用による省エネの強化、地中熱など再エネのさらなる活用や化石燃料より排出されるCO2を吸収し分離・活用する技術など、自社技術開発も視野に入れた施策を推進する。また、それらを最適に組み合わせることで、よりエネルギー効率が高くCO2を排出しない工場を目指していく。
先行モデルの取り組みを他の工場へ展開
パナソニックでは2017年6月にリリースした「環境ビジョン2050」に基づき、CO2ゼロ工場の取り組みを進めている。具体的には、PETECの取り組みで紹介した、照明のLED化やFEMS（ファクトリーエネルギーマネジメントシステム）技術の活用などによる省エネや、太陽光発電システムの導入などによる創エネ、また、再エネ由来電力の調達などを工場に取り入れる。
同社は、先行モデル工場PETECで培ったこれらの取り組みを国内外の工場に効果的に展開していく。これにより「環境ビジョン2050」で掲げるグローバルでのCO2ゼロ工場の実現に向けて、活動を加速させていくとしている。