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IoT街路灯で管理効率化と電力費削減 杉並区で実証実験開始

電器部品メーカーのミネベアミツミ(東京都港区)と岩崎電気(東京都中央区)は2月18日、杉並区より実証フィールドの提供を受け、スマートシティプロジェクトの先駆けとなる「IoT街路灯実証実験」を開始したと発表した。

西荻窪駅北口周辺に、スマート街路灯11灯、環境センサー1台を設置して実施する。この実証実験では、独自技術の無線によるコネクティビティをもつ街路灯がネットワークを作り、街路灯やセンサーを一括集中管理する。これにより、無線通信を用いた光量の自在なコントロールや、点灯状況・消費電力量のモニタリングが可能となり、運用管理の効率化と電力費削減を同時に図ることができる。さらに、環境センサーを組み合わせることで、温度、湿度、気圧、風速などの様々なデータを取得し、区民への情報サービスの提供が可能になる。

両社は、このプロジェクトを通して、杉並区において省エネルギー化、管理の省力化を進めると共に、住民の利便性向上と安全・安心なまちづくりの実現に貢献していくとしている。

照明機器を付加価値、都市生活の利便性向上のツールに

ミネベアミツミは、岩崎電気と無線機能付き高効率LED道路灯を開発し、2015年より「スマートシティ」プロジェクトを進めている。そのソリューションとして、環境センサー、パーキングセンサーなど各種センサー、電力メーター、監視カメラなどを組み合わせ、都市生活にかかわる機能を一括してモニタリングできるシステムの構築に取り組んでいる。

照明機器を、単にあかりをともすだけではなく、省エネルギーや都市生活の利便性向上、安全性の向上など、様々な付加価値を持つデバイスに進化させるため、共同開発を推進している。

また、ミネベアミツミのスマートシティを支える通信方式「6LoWPAN」では、メッシュ状にネットワークを構築する。木や建物などの多いエリアで有効だという。通信がダウンした場合、無線機能付きLED道路灯が自動的に新しいネットワークを構築する。

なお、ミネベアミツミは2016年に、岩崎電気と資本業務提携している。ミネベアミツミが保有する光学技術・回路技術と海外製造ノウハウと、岩崎電気が保有する道路照明の器具開発技術・照明設計技術を、さらに相互連携させることで、スマートシティなどIoTに対応した次世代道路照明器具の開発を加速させることなどを狙いとしたものだ。

             
記事出所: 『環境ビジネスオンライン』 2020年2月20日 出典

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