
環境省は2月4日、2020年度予算案における、各省の環境の保全に関する経費(環境保全経費)を取りまとめ発表した。環境保全経費の総額は1兆9,902億円(対前年度比 +1,231億円増加、6%増)となった。
同省では、政府の経費のうち、地球環境の保全、公害の防止、自然環境の保護・整備、その他の環境の保全に関する経費を「環境保全経費」として毎年取りまとめを行っている。
2020年度予算のうち最も多くを占めたのは「放射性物質による環境汚染の防止」で6,758億円(同+1,106億円、16%増)。被災地の復興・創生に向け、福島県内の除染で生じた除去土壌などを、最終処分までの間管理する「中間貯蔵施設」の整備等の予算が増額となった。また、「地球環境の保全」は5,841億円(+25億円、0.4%増)。
なお、各内訳は億円単位に四捨五入しているため、総額等とは一致しない場合がある。また、複数の施策体系の区分に該当する経費については、主要区分により集計を行っている。
循環型社会の形成、水・土壌・地盤・海洋保全でも増額
地球環境の保全:5,841億円 (5,816億円、+25億円)
エネルギー使用合理化設備導入促進等対策費補助金(経済産業省)、森林環境保全整備事業(農林水産省ほか)、(気候変動×防災)、脱炭素でレジリエントかつ快適な地域とくらしの創造(環境省)など
生物多様性の保全及び持続可能な利用:1,768億円 (1,805億円、△37億円)
水源林造成事業(農林水産省)、国営公園維持管理費等(国土交通省)、自然公園等事業費(環境省)など
循環型社会の形成:1,120億円 (1,024億円、+96億円)
循環型社会形成推進交付金(環境省)、大規模災害に備えた廃棄物処理体制検討・拠点整備事業(環境省)、PCB廃棄物処理設備のPCB除去・原状回復事業費(環境省)など
水環境、土壌環境、地盤環境、海洋環境の保全:1,106億円 ( 952億円、+154億円)
農村地域資源維持・継承等対策経費(農林水産省)、適正な汚水処理の確保等のための下水道事業に必要な経費(国土交通省)、海洋保全対策費(環境省)など
大気環境の保全:1,750億円 (1,887億円、△137億円)
交通安全施設等整備費補助(警察庁)、地域交通のグリーン化に向けた次世代自動車の普及促進(国土交通省)、微小粒子状物質(PM2.5)等総合対策費(環境省)など
包括的な化学物質対策:50億円 (52億円、△2億円)
化学物質規制対策事業(経済産業省)、食品安全確保調査等事業委託費(農林水産省)、化学物質環境実態調査費(環境省)など
放射性物質による環境汚染の防止:6,758億円 (5,652億円、+1,106億円)
中間貯蔵施設の整備等(環境省)、放射性物質汚染廃棄物処理事業等(環境省)、除去土壌等の適正管理・搬出等の実施(環境省)など
各種施策の基盤となる施策等:1,508億円 (1,484億円、+24億円)
【参考】