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佐賀に電力自給自足のZEBオフィスビル完成 空調も井水・太陽熱を利用

大和ハウス工業(大阪府大阪市)は、新築オフィスビルに太陽光発電蓄電池を組み合わせた電力自立システムを導入し、再生可能エネルギーでオフィスのエネルギー消費をすべて賄える、ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)を実現したと発表した。

この「大和ハウス佐賀ビル」(佐賀県佐賀市)では、太陽光発電(83.2kW)とリチウムイオン蓄電池(75kWh)をはじめ、消費電力の中で最も大きい空調エネルギーを低減するため、井水・太陽熱を利用した空調システムなどの環境配慮技術を導入した。これにより電力会社からの買電に依存せずに自立でき、同規模の一般建築と比較して電力料金を年間約600万円削減する見込みだ。

また同ビルにおいて、2月26日より、再生可能エネルギーによる電力自給自足オフィスとして、実証実験を開始した。これは同社によると日本初の取り組みとなる。

同ビルは地上2階建鉄骨造で、敷地面積は5,556.33平方メートル、延床面積は2,444.57平方メートル。人員は約100名。着工は2017年8月21日で、2018年2月26日に竣工した。

今後、同ビルをモデルケースとして、得られた成果を自社施設へ水平展開していく。また、顧客への環境配慮型施設の提案・普及を加速させるため、同事務所をショールームとしても活用していく。

なお、このビルは、経済産業省実施した2017年度「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル実証事業」に採択されている。この事業は、ZEBに資するような高性能設備機器などを導入し、省エネ性能の高い建物の既築・新築・増築・改築を行う建築主などへ支援するものだ。

買電に依存しない電力自立システムとして

固定価格買取制度の段階的な価格の低下に伴い、再生可能エネルギーの自己消費が進んでいる。同ビルの電力自立システムでは、太陽光発電(83.2kW)からオフィスの照明や電気機器に電気を供給し、余剰電力は蓄電池(75kWh)に蓄える。

再生可能エネルギーが消費電力以下になった際には、蓄電池から電力供給を自動で開始する。ただし、太陽光発電パネルと蓄電池での電力供給ができなくなった場合は、九州電力から電力を供給する。

また、太陽光発電や蓄電池から出力される電力(直流方式)をそのまま活用することで、直流・交流の電気変換に伴う電力損失を約8%軽減する。

自然の力・創エネ・省エネの制御でZEBを実現

同ビルの空調エネルギーを低減する「井水・太陽熱利用ハイブリッド空調システム」では、年間を通じて約15℃の井水から熱を取り出して冷暖房に活用、また、太陽熱集熱器で作った温水を暖房だけでなく、冷房時の除湿にも活用する。このシステムや自然換気によって、同規模の一般建築と比較して空調にかかわる電力消費量を約7割削減できると試算している。

同ビルでは、自然の力を活かす「パッシブコントロール」、創エネ・省エネを行う「アクティブコントロール」、それらを適正に制御する「スマートマネジメント」を組み合わせることにより、再生可能エネルギーがエネルギー消費量を上回る「ZEB」を実現する。

また同社は、同ビルにおいて、一般社団法人 住宅性能評価・表示協会が定めるBELS評価(建築物省エネルギー性能表示制度)で、自社施設としては初めて、最高ランクである5つ星を取得した。

同社グループでは、新築の自社施設において、先導的な環境配慮型技術を採用したZEBを推進している。2016年4月には「ロイヤルホームセンター津島店」(愛知県津島市)で、1万平方メートル超の大規模店舗としては日本初となるZEBを実現している。

記事出所: 『環境ビジネスオンライン』 2018年2月28日 出典

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