神奈川県横浜市は、既存の街路灯2基を、民間事業者との連携により再生可能エネルギーを活用した街路灯に更新すると発表した。
この事業は風力と太陽光によるハイブリッド発電をバッテリーに蓄電し、夜間はLEDが点灯する街路灯に更新するもの。街路灯の定格出力は500W(風力325W、太陽光175W)。WE POWER(神奈川県横浜市)と連携し、同社が既存設備の撤去、新規設備の設置、維持管理を行う。
更新するのは、JR桜木町駅前広場と岸根公園内の街路灯で、更新時期はそれぞれ6月下旬と8月下旬を予定している。

更新される街路灯(イメージ)
横浜市には「公民連携」を提案できる窓口がある
横浜市では、市民に身近な場所で再生可能エネルギーを広く普及啓発するため、太陽光発電パネルや風車により発電した電気で点灯する街路灯を市内公共用地に設置している。
今回の更新にあたっては、「共創フロント」を通じて横浜市が公募し事業者を選定した。共創フロントとは、行政と民間が連携し、新たな事業機会の創出と社会的課題の解決に取り組むために横浜市が設置した、民間事業者・団体からの相談・提案を受け付ける窓口だ。
共創フロントの提案には2つの形式がある。横浜市から民間へテーマを示し、公民連携事業の提案やアイデアなどを募集する方法と、民間から公民連携を希望する事業・アイデアなど提案する方法の2つの形式だ。この取り組みにより、これまでに多くの事例が生まれている。
たとえば、IKEA港北(横浜市)は、歴史的に価値の高い建造物を多数有する日本庭園「三溪園」(横浜市)へ127個のLED電球導入を提案。LED電球は省エネ効果のほか、文化財を傷めにくい効果もあり、経済面と文化財保護の両観点で利点のある提案と評価された。
横浜市との連携で多機能防災灯を展開
WE POWERは、風力や太陽光などの再生可能エネルギーによる自社研究開発の高効率な発電と蓄電技術を活用した、地域密着型小規模発電装置や防犯灯の研究開発、製造、保守管理などを手がけている。
今回採用された、LED照明器具と非常電源を搭載し、風力・太陽光で発電、さらに蓄電する自立型ハイブリッド防災灯も同社製品の一つ。
このハイブリッド防災灯の設置については、「環境未来都市」を目指す横浜市との間で「連携協定書」が交わされている。2016年2月より、みなとみらい21地区の53街区新高島駅周辺歩行者通路にハイブリッド防災灯10基を施工した。同社は、将来的にも横浜市との協定に基づく形で市全域に提供・設置するなど、幅広い連携を展開していく考えだ。
【参考】