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竹中工務店、普及型のZEB完工 NearlyZEB取得、CASBEEもSランク

竹中工務店(大阪府大阪市)は7月23日、テイ・エステック本社(埼玉県朝霞市)の「普及型ZEBオフィス」が完工し、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)でNearly ZEB(ニアリー・ゼロエネルギービル)を認証取得したと発表した。

同ビルは、地上3階・棟屋1階建ての鉄骨造。延床面積は3,727平方メートル。この建物では、汎用性が高くコストパフォーマンスに優れた省エネ技術の最適な組合せによって快適性と省エネ性を両立。広く展開が可能なZEBオフィスを実現し、CASBEE埼玉県でもSランクを取得した。

同プロジェクトにおけるNearly ZEBへの主な取り組み内容は下記の通り。

普及型ZEBオフィスを支える主な要素技術

普及型ZEBオフィスを支える主な要素技術(画像クリックで拡大)

ZEB普及のためのプロジェクトの主なコンセプト

1. 快適なオープンオフィスとアトリウム

外装を高性能断熱パネルと南北の横連窓(南面はLow-Eガラス)で構成し、眺望と十分な採光の確保と、高い断熱性能を両立。中央のアトリウムのハイサイドライトで自然採光を取り入れ、自然や時の移ろいを感じられるような工夫がされている。

敷地内では積極的に樹木を保存した景観計画とし、同社技術であるソトコミ®(環境負荷の低いワークスペースを選択して働くという行動を組み合わせることで、省エネや知的生産性を高めることが可能な、新しいオフィスの価値観の提案)を応用して室内に居ながら屋外の快適度を知らせ、休憩時間などに外に出てリフレッシュできるようにした。

快適なオープンオフィスとアトリウム

2. 最小エネルギーで室内環境を調節

高断熱や外気導入制御、LED照明や昼光制御などにより、建物内外からの熱負荷を徹底削減したうえで、スリムな設備容量でエネルギー消費を最小化。省エネ・省メンテナンスな建物運用が可能。また、屋上に高効率な太陽光発電パネルを設置した。

3. 意識せずに省エネ制御

2階のオフィスはオープンフロアとしてオフィスレイアウトの自由度を高め、将来のフリーアドレス設定や様々な場所設定が可能なフレキシビリティを持たせた空間とした。

空調・照明はゾーニングを細分化し画像センサにより人の在・不在に応じて空調と照明を自動制御するなど、ワーカーが操作せずに省エネが行える。高効率パッケージ空調などの汎用性の高い省エネ技術によるシンプルな設備システムのため、専門のビル管理者や技術者に頼ることなく省エネ運用が行えるよう配慮した。

4. ワーカーのエコ意識をアップ

ワーカーに消費電力や発電量のみを表示するだけではワーカーの省エネ行動につなげにくいのが実情だ。同プロジェクトでは、エネルギー消費量の目標値を設定し、実績値が目標値を超えた場合にECOサインを点灯させるなど、省エネの達成度合いをリアルタイムにワーカーにフィードバック。省エネ行動へのはたらきかけとともに、働き方とエネルギーの関係を日頃から意識してもらえるような工夫をした。


パリ協定の日本の約束草案において、2030年度の温暖化ガス削減目標を2013年度比26%削減とする目標が掲げられ、その中で業務その他部門の二酸化炭素排出量は4割削減と設定された。

その方策として、新築建築物・増改築の省エネルギー基準の適合義務化が2017年から施行され、2020年までに新築公共建築物などでZEBを実現、2030年までに新築建物の平均でZEBを実現する政策目標が掲げられており、ZEBの普及拡大が社会ニーズとなっている。これを受け、同社はZEBをより身近なものとして多くの顧客に提供し、ZEBの普及拡大に取組んでいくとしている。

なお、テイ・エステックは、1960年に二輪車用シートメーカーとして創立し、現在では自動車用シート、内装部品を世界14カ国からグローバルに供給するシステムサプライヤー。

記事出所: 『環境ビジネスオンライン』 2018年7月25日 出典

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