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竹中工務店、太陽光発電から照明へ直流給電するシステムをビルに初導入

竹中工務店(大阪府大阪市)は7月3日、独自開発したエネルギーマネジメントシステム「I.SEM」を用いて、オフィス照明への直流給電による給電方式を確立し、「栗原工業ビル」(大阪市北区)に初導入したと発表した。

同社が採用した給電方式は、I.SEMと直流電源対応の照明器具とを組み合わせ、直流電力を直流のまま給電し、従来生じていた「直流→交流→直流」の変換による電力ロスを定格時約10%低減することができる。

また、非常用発電機との連携が可能で、同社によると、BCP対応・デマンドレスポンス・直流給電を組み合わせた全国初のシステムになるという。なお照明器具はパナソニック(大阪府門真市)に依頼して新規開発したものを採用した。

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「直流→交流→直流」による電力の変換ロス低減

近年、省エネルギーやBCP対策などの目的で、太陽光発電などの再生可能エネルギーと蓄電池を組み合わせたビル用電力需給システムが普及している。これらの電源は直流電力を供給し、また多くの電気機器は直流電力で動作しているが、一般的にビル内の配電網は交流であるため、これまで「直流→交流→直流」の変換による電力ロスが生じていた。

オフィス照明への直流給電による電力ロスの低減は、太陽光発電から直接照明器具へ給電する場合を想定し、電力の変換回数を低減するとともにSiC素子を用いることにより各変換効率を向上させて算出している。なお、交流給電の場合は太陽光発電→DC(直流)/DC→DC/AC(交流)→AC/DC→照明器具、直流給電の場合は太陽光発電→DC/DC→DC/DC→照明器具、となる。

「I.SEM」は、エネルギーマネジメントのためのソフトシステムと、分散電源であるリユース蓄電池、太陽光発電、電力電気自動車(EV)など多様な電源を直流で統合して建物に電力を供給するハードシステムにより構成される。これにより、多様な電力を直流電力のまま取り込み、電力自由化に対応したエネルギーマネジメント、エネルギーコストの最小化、再生可能エネルギーの利用、BCP等のための合理的なエネルギー利用が可能となる。


同社は2018年4月、「I.SEM」を幅広く展開することを目的に、オープンイノベーションの一環として日立製作所(東京都千代田区)との協業契約を締結した。この協業では、「I.SEM」がもつ機能のうち、太陽光発電と蓄電池を組み合わせて複数台のEV充放電を最適に制御する機能に関して、システム構築や運用上のノウハウを日立製作所に提供し、日立製作所が海外での展開を検討しているビルやインフラにおけるV2Xシステムの構築を支援するものだ。

なお、「栗原工業ビル」は鉄筋造、地上8階・塔屋1階のオフィスビル。延床面積は6,546平方メートル。設計・施工、竹中工務店。工期は、2018年1月~2019年3月。栗原工業ビルは、そのほか、さまざまな省CO2への取り組みにより、事業継続性と省CO2を両立する計画が評価され、2017年度第1回サステナブル建築物等先導事業《省CO2先導型》(国土交通省)の一般部門に採択されている。

             
記事出所: 『環境ビジネスオンライン』 2019年7月08日 出典

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